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今シーズンのスギ花粉症舌下免疫療法初回投与を開始しています (当院の5年間の治療成績を踏まえて)

2020.06.14

 
春の花粉飛散も終わり、今シーズンのスギ花粉症舌下免疫療法初回投与を開始しています。
 
当院では、スギ花粉に対する舌下免疫療法薬が発売された直後の2014年秋からこの治療を行なっていますので、今年の春が治療を開始して6回目の春になりました。
 
下のグラフは当院の花粉舌下免疫療法の結果を、治療開始からの年数ごとにまとめたものです。
 
 
■無効■有効(改善)■著効(著明改善)■寛解(治癒) (当院におけるスギ花粉舌下免疫療法の結果)
 
治療開始前と比べて改善のない場合を”無効”、改善の程度によって”有効”、”著効”とし、スギ花粉症の症状がなかった場合を"寛解"としています。また、スギ花粉症では症状がなくても、ヒノキ花粉症の症状が4月に出る方がいましたが、一般的に軽く、その場合も寛解に含めています。最長が5年目なのは、治療期間は最長でも5年間で終了しているためです。
 
治療開始1年目の春から治療の効果が現れ始めている方が多いです。そして年数が経つごとに、その効果は高くなる傾向があります。
 
ただ、残念ながら効果が見られない方も1割ぐらいいました。(なお、5年目は無効例が0になっていますが、数年続けて無効であったため、5年目を待たずに治療を終了した方が数名いらっしゃったのが、その理由の一つです。)しかし逆に言えば、9割の方には、何らかの効果が見られています。
 
そして、5年目には、5割近くの方が、スギ花粉症の症状がなくなるところまで改善していました(ただし、5年目の寛解例は、今年初めて寛解となった方が含まれ、今年の春は花粉飛散が比較的少なく、コロナウィルスの影響で外出を控えていた方も多かったことから、5割という数字はかなり割り引く必要があると考えます)。それでもこの治療成績は、2014年の治療開始前の予想を大きく上回るものです。
 
なお、5年目を待たずに、寛解あるいは著明に改善したため、ご本人の希望で3、4年で治療終了した方も数名いらっしゃいます。
 
スギ花粉に対する舌下免疫療法をご希望の方は、受診、あるいは電話でご相談ください。
 
 
*ダニ(ハウスダスト)アレルギーに対する舌下免疫療法も行なっています。