患者さん中心の医療と、科学的診断と新しい技術を提供いたします。

頸部(頸部腫瘤、唾液腺、超音波検査)

のど/頸部/睡眠時無呼吸/漢方

頭頸部腫瘍

頸部の腫れは耳鼻咽喉科の守備範囲

大きな病院の耳鼻咽喉科は“耳鼻咽喉科・頭頸部外科”と標榜しています。耳鼻咽喉科は本来、耳・鼻・のどの他に、脳、眼、歯を除く頭部と頸部の外科も守備範囲としています。開業医では、手術は限られたことしかできませんが、頭頸部の病気についてしっかり診断して、必要であれば大きな病院に紹介することも、役目の一つです。

 

当院では、診断のために、超音波検査も行なっています。

頸部リンパ節炎

頸部のリンパ節が腫れる病気は多いですが、大抵は心配のない炎症性のものです。しかし伝染性単核症など、特別な炎症で腫れることもあり、腫瘍で腫れることもありますから、鑑別が必要です。

反復性耳下腺炎ーこどもの耳下部が繰り返し腫れて痛むー

一番大きな唾液腺である耳下腺が腫れる病気でよく知られているのはおたふく風邪ですが、耳下腺が何回も繰り返して腫れる場合があります。反復性耳下腺炎は、決して珍しい病気ではありません。

 

元々狭い唾液の流れる管(導管)に炎症が加わって、唾液の流れが滞って腫れる病気で、痛みがあっても発熱はなく、唾液が流れ出せば数日で治ります。小児で発症して、思春期には治るのが普通です。

 

おたふく風邪との鑑別が難しい時などは、当院では超音波検査を行っています。反復性耳下腺炎では、耳下腺組織の中に小円形低エコー域の多発が見られます。この所見は、拡張した導管かその周囲のリンパ球浸潤によるものだと言われています。

 

図は腫れがほとんどなく、原因不明の耳下部の痛みだけを何回も繰り返して、多くの病院を受診しても診断がつかず、当院を受診した子の超音波検査所見です。グレーの耳下腺組織の中に多数の黒い丸が見られます。この子は、超音波検査をしなければ、診断がつかなかったでしょう。

 

急性顎下腺炎、唾石

顎の下にある唾液腺、顎下腺の炎症の原因として多いものに、唾石があります。唾液が流れる管に石ができて。管が詰まってしまうために炎症が起きるのです。

耳下腺腫瘍

良性のものと悪性のものがありますが、いずれにせよ大きな病院で確定診断をつける必要があります。

甲状腺腫瘍

甲状腺は首の前の方の、のどぼとけ(甲状軟骨)のすぐ下にあります。嚥下すると喉頭とともに上下に動きますから、首の前の方の腫れがそのような動きをするなら、甲状腺腫瘍の可能性があります。甲状腺腫瘍にも良性のものと悪性のものがあります。