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2021年花粉情報と新しい治療法

副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎

2021年 花粉情報

2月10日がスギ花粉飛散開始日となり、既に多くの花粉が飛散しています。2021年の関東地方のスギ花粉飛散量は、昨年2020年の1.8倍と予想されていましたが、実際に昨年、一昨年には受診されず治療なしで過ごせた患者さんが、今年はたくさん受診されています。

 

スギ花粉は3月がピークとなり、ヒノキ花粉は4月がピークとなります。4月には、口腔アレルギー症候群を引き起こすハンノキ花粉も飛散します。

 

下のサイトなどを参考に、花粉に備えて下さい。

 

横浜市都筑区花粉情報 ウェザーニュース  :迅速な花粉飛散情報を知ることができます。

 

 

2021花粉症の治療

1 コロナ下での花粉予防の難しさ

 

花粉を避けることが大切で、例年ならできるだけ窓を開けないこと、洗濯物を外に干さないことなど、家の中に花粉を入れないことを強く推奨していますが、今はコロナ対策としての換気が優先されます。今シーズンは、ご自宅でも、職場でも、室内にいても24時間花粉に晒される、特別なシーズンになります。

 

また、症状の強さは花粉の飛散量だけでなく、体調にもよります。不規則な生活やストレスで自律神経が不調になると、花粉症の症状も強くなります。コロナのための生活の変化やストレスによって、自律神経が不調の方が増えているのも、今シーズンの特徴です。

 

2 薬

 

市販もされている、アレグラ、クラリチン、アレジオンは抗ヒスタミン薬の中でも副作用が少ない点で良い薬ですが、今季は、例年より一段階強い薬が必要になっている方も多いです。以下のような方法があります。

 

①複数の薬を組み合わせる:抗ヒスタミン薬だけでなく、抗ロイコトリエン薬、点鼻ステロイド、点眼薬を、患者さんの症状や環境から判断して組み合わせます。

 

②眠くなっても良い時には、効き目の強い薬を選ぶ:抗ヒスタミン薬は効き目の強さと、眠気の副作用とが、しばしば比例します。

 

③内服ステロイド:短期間、少量の服用が、眠気の副作用もなく、有効です。

 

④新しい薬(貼り薬、薬効の違う薬の合剤、倍量の服用が許されている薬など)が有効な場合もあります。

 

⑤注射薬(ゾレア):昨年から重症の花粉症に対して適応となった、今までとは全く違う効き目の薬です。  

 

3 舌下免疫療法

 

他の治療と違い、花粉症を根本的に治せる可能性のある方法です。来季以降に備えて、今季の飛散が終了する、5月中旬以降に開始できます。

 

4 レーザー

 

花粉症の予防として行うと、効果が期待できます。花粉の飛散が始まる前に行いますので、今季は終了しています

 

 

 

 

 

 

新しい花粉症治療 ゾレア

体の中のIgE抗体に作用してアレルギー反応を抑える抗体製剤です。他の治療で抑えられない重症の花粉症が適応となります。

 

治療を受けるための条件

1 重症の花粉症であること。

2 アレルギーの血液検査(特異的IgE抗体検査:RAST等)で診断が確定していること。

3 まず既存の治療を行い、効果が不十分であること。

4 もう一度血液検査が必要である(総IgE濃度:ゾレアの投与量決定のため必要)

5 投与が確定してから注射薬を取り寄せるので、注射のための予約を行い、注射予約日には必ず受診していただくこと。

6 注射だけでなく、必ず飲み薬(抗ヒスタミン薬)も併用すること。

 

ゾレア投与の手順

①初診日

重症のアレルギーと診断され、舌下免疫療法などについても説明した上で、次回受診までの薬(1週間以上)を処方します。

 

②2回目の受診

前回の治療で効果不十分であり、ゾレアの投与を希望された場合、血液検査(総IgE濃度。過去に特異的IgE抗体検査が未施行であれば、それも合わせて行う)を行います。

 

③再診あるいは電話再診

数日後に再診あるいは電話をいただき、前回測定した総IgE濃度と体重から決定される投与量。投与期間*及び薬剤費をお知らせします。投与日を相談し、予約をしていただ来ます。

 

*投与期間も総IgE濃度と体重から決定され、4週間後の受診で良い場合と、必ず2週間後にもう1回注射する必要のある場合があります。

 

④予約した投与日に受診

ゾレアの注射を行います(原則として必ず受診してください)。2週間後に2回目の投与が必要な方は、その予約をしていただきます。

 

総IgE濃度と体重から決定される投与量。投与期間及び薬剤費については、以下のリンクを参考にしてください。

ゾレアの薬剤費(ノバルティス・ファーマのサイトより)

レーザー治療

通常の薬による治療で十分治らない場合や、薬を長期飲みたくない方には、手術という選択肢もあります。とくにレーザー治療は、痛みや出血がほとんどなく学童にも可能な、日帰りでできる手術です。

 

花粉症の予防としても、飛散前に行うと、効果が期待できます。粘膜を切り取るような入院が必要な手術を行った場合に比べると、治療効果の有効率と持続期間がやや劣りますし、効果の程度には個人差がありますが、多くの方に改善が期待できます。

 

当院のレーザー治療の特徴

1 内視鏡下手術

内視鏡の画像を拡大してテレビモニターで見ながら手術を行うので、安全に確実に治療することができます。ご希望があれば、ご本人や保護者の方に、手術中の鼻内の様子を見てもらうこともできます。

2 CO2レーザーと半導体レーザー

より高い効果が得られる新しい照射モードが使えるCO2レーザーを主体に、術中の焦げ臭さが少ない半導体レーザー(コンタクトタイプ)を、使い分けて使用しています。

 

手順

1 薬をスプレーして鼻内をきれいにした後、麻酔用の綿を数本入れて、15分ほど待っていただきます。

 

2 目の保護のためゴーグルをかけていてもらいます。

 

3 内視鏡下に、粘膜にレーザー光をまんべんなく照射します。両側の鼻の治療に5分から10分程度かかります。

 

4 手術終了後は15分程様子を見てかから、帰宅していただきます。

 

 

手術後

*手術後は一時的に鼻づまりや鼻水などの症状が強くなりますので、その軽減のために、抗アレルギー薬を飲んでいただきます。

 

*当日は入浴、運動、飲酒を避け、鼻も強くかまないようにします。

 

*翌週にもう一度受診していただき、かさぶたの掃除などを行います。

 

その他事項

*治療効果の程度や持続期間は、個人差が大きいです。一度の治療で長い間症状がとれる人もいれば、数ヶ月しか効果の続かない場合もあります。新しい報告では、持続期間は平均して半年程度とされています。 

ただし、効果が長続きしない場合でも、2度目、3度目の治療を行うと、より効果が高くなると言われています。

 

*花粉症のシーズン中に行うと、手術直後の一時的な増悪が大きくなりますので、花粉症の予防として行うのであれば、1月中に行うのがベストです。