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鼻出血(鼻血)

2018.05.11

耳鼻咽喉科の病気はたいてい暑いときは減りますが、鼻出血だけは増えます。鼻出血の大多数はあまり心配のいらないものです。とくに幼稚園から小学校低学年ぐらいまでは、とくに夏、のぼせやすい季節には多いものです。

 

この場合は、たいていはキーゼルバッハ部位と呼ばれる、鼻中隔(左右の鼻腔を分けている、鼻の真ん中の壁)の、鼻の入り口に近い方の細い血管が集まっているところからの出血です。ここに浅い小さな傷ができただけでも、鼻の入り口に近い刺激を受けやすい場所だけに、出血をくり返しやすいですが、通常は出てもすぐ止まります。

 

出血してしまったら鼻翼(鼻の入り口の周り)を指で上から圧迫すること。鼻をつまむようにしてもいいです。

 

ときどきもっと上の方の固い鼻骨の上から押さえている方がいますが、それでは圧迫になりません。姿勢は座って下向きかげんの方が良いです。上を向いていると、鼻血が前に出てこないので、一見よいようですが、実際には鼻の奥で血が黒いゼリーのように固まってしまったり、のどに流れて、胃まで飲み込んでしまったりして、よくありません。鼻の中にティッシュなどを詰めるのも、止まるのには効果があるかも知れませんが、取り出すときにまた傷が開いてしまうこともあるので、良いと言えません。

 

鼻血が出やすいときの予防は、のぼせないこと、さわらないことです。

入浴はシャワーだけにして湯船につからないようにする、顔を洗うときも普通に洗ったのでは鼻を動かして刺激してしまうので、そっと拭くだけにするといった、注意が必要です。粘膜の小さな傷が完全に治って粘膜が正常になるのに1週間はかかりますので、その間鼻血がまた出てしまうと、いつまでたっても血が出やすい状態が続きます。あまり続く場合は、自然に溶けて抜去する必要の無いタイプの止血用スポンジを、傷に当てることもあります。