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12月29日(木)〜1月3日(火)は、年末年始の休診となります。

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春一番と花粉飛散開始日

今日2月4日は立春です。春一番とは、立春から春分までの間にその年初めて吹く強い南風をそう呼ぶそうですが、もしかしたら今日は暖かくなってそれが吹くかもしれません。

昨日、一昨日辺りも、すでに1平方センチあたり1個未満ではありますが、スギ花粉は観察されており、軽い症状が出ている方もいらっしゃいます。

花粉飛散開始日とは、”1平方センチあたり1個以上の花粉が2日連続観察された時の初日”と定義されています。今日明日の花粉は少量からやや多い飛散と予報されています。例年より早めですが、今日が今年の花粉飛散開始日になる可能性があります。

十分ご注意ください。

追記:2月4日には春一番は吹かず、花粉飛散量も1平方センチあたり1個未満に収まりました。しかし、2月12日、13日に連続して1個以上の花粉が飛散し、今年の飛散開始日は2月12日となりました。

鳥居薬品

舌の下で行う鳥居薬品の舌下免疫療法専門サイト

風邪は耳鼻咽喉科の病気

カゼはウイルスの感染による鼻とのどの炎症です。ですからカゼは、鼻とのどの専門家である耳鼻咽喉科の専門範囲となります。鼻の中の様子や、のどの状態によって、同じカゼでも薬や治療法も違ってきます。また、大人でも時々ありますが、特に小児ではカゼがきっかけで副鼻腔炎や中耳炎になることもよくあります。

 

  RAST イムノラピッド
項目数 自由に選択 決まった8項目
対象抗体 鼻炎(呼吸器)、食物 鼻炎(呼吸器)
採血 注射器による静脈採血 指先から少量
特徴 同時に他の血液検査も可  
  血管が細いと難しい 小児でも可
結果が分かるまで  4~7日程度  約20分
検査料(3割負担) 選択した項目数による 3090円
  (最大13項目4830円)  

 

有効な薬は、それぞれの患者さんや状況で違う

そして第二が薬です。薬は患者さんそれぞれによって、あるいはその年の花粉の飛散量などによって、いろいろな選択肢の中から一番良い組み合わせを選ばないと、十分効かなかったり副作用で服用を続けられなかったりすることがあります。最適な薬を選ぶためには、専門医にご相談ください。しかし、どんなに効く薬であっても、一時的な効果しかなく、体質まで変えることはできません。

 

薬には次のような種類があります。

 

I. 内服薬(飲み薬)

 

‌①第 2 世代抗 ヒスタミン 薬:

一番良く使われるのがこの薬です。昔の‌第1 世代抗 ヒスタミン 薬に比べると一般に眠気は少ないのですが、同じ第 2 世代抗 ヒスタミン 薬の中でも、眠気はほとんどないが効き方はマイルドな薬から、比較的眠気は出やすいが強い効き目の薬まで、違いがあります。

 

多くの薬がありますが、患者さんの症状の強さ、その薬の効き目の強さ、眠気などの副作用の強さ、価格(ジェネリックを選べるかどうか)、服用が1日1回か2回か、いつ服用するかなどで、薬を決めます。

 

自分では眠気を感じなくても、脳の働きが鈍くなる可能性があるので、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬でも多くの薬は添付文書に運転禁止の注意書きがあります。添付文書に運転禁止の注意がない薬は、次の5つの薬だけです。

 

アレグラ(フェキソフェナジン)*、クラリチン(ロラタジン)、ディレグラ(フェキソフェナジン+プソイドエフェドリン)*、デザレックス(デスロラタジン)、ビラノア(ビラスチン)

 

薬が発売されて何年か経って特許が切れると、主成分が同じ薬(ジェネリック)の発売が可能になります。一般にジェネリックは先発品に比べると、かなり薬価が安いです。青字で示したのが、既にジェネリックが出ている薬です。

 

また、*印をつけたのは、1日2回服用する薬、それがないのは1日1回服用する薬です。なお、誤解されている方がいますが、1日1回の薬が1日2回の薬と比べて薬代が半分になるわけではありません。1日1回の薬でも1日2回の薬でも、1日の薬代はほぼ同じに設定されています。

 

車の運転が禁止になっている薬の中でも、眠気の程度と効き目の強さには段階があり、また個人差があります。運転禁止になっていない薬は比較的効き目がマイルドなので、それが効かない場合、運転をしないことを前提に、次のような薬を選ぶこともありま。

 

タリオン(ベポタスチン)*、アレジオン(エピナスチン)、ザイザル(レボセチリジン)、アレロック(オロパタジン)*、他

 

新しい薬の中には、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬と他の薬を混ぜたものもあります。

 

ディレグラ(フェキソフェナジン+プソイドエフェドリン)*はアレグラとプソイドエフェドリンを混ぜた薬です。プソイドエフェドリンは交感神経を刺激して血管を収縮させる薬です。鼻粘膜の腫れの主な原因の一つは血管の拡張ですので、アレグラの効き目に加えて、鼻閉をより改善することが期待され、鼻閉が主体の中等症以上のアレルギー性鼻炎が適応となります。

 

ただし、交感神経刺激による副作用の可能性がある循環器の病気や、緑内障、前立腺の病気のある方には禁忌です。そうでない方でも、長期連用では副作用の懸念も捨てきれないため、鼻閉が強い間だけ服用すべき薬だと考えています。また、プソイドエフェドリンは覚せい剤の原料となり得るため、1錠中に含む量に規制があり、わざと普通の薬に比べるとかなり大きくしてある飲みにくい錠剤を2錠ずつ飲まなければならないという欠点もあります。

 

ルパフィン(ルパタジン)は、現時点で最も新しい薬ですが、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬とPAF拮抗薬を混ぜた薬です。PAFは、ロイコトリエン、プロスタグランジンD2・ トロンボキサンA2などとともに、原因になる抗原が入ってきてすぐに起こる即時層の鼻閉だけでなく、数時間後に起こる遅発層にも関与します。したがって、ルパフィンは1剤で即時層と遅発層の両方に効果が期待できます。

 

②抗ロイコトリエン薬:アレルギーの症状には、原因になる抗原が入ってきてすぐに起こる即時層だけでなく、数時間後に起こる遅発層があります。抗ヒスタミン薬が、即時層の主役であるヒスタミンをブロックするのに対し、抗ロイコトリエン薬は、即時層の鼻閉だけでなく遅発層にも関与するロイコトリエンをブロックする薬です。下の2つがあります。

 

オノン(プランルカスト)*、キプレス=シングレア(モンテルカスト)

 

抗ロイコトリエン薬単独では即時層の鼻水やくしゃみには効果があまりないですし、遅発層で起こる鼻閉には抗ヒスタミン薬は無効です。したがって、中等症以上のアレルギー性鼻炎には、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬と抗ロイコトリエン薬を併用しないと症状が取れません。抗ロイコトリエン薬には眠気の副作用がなく、ジェネリックがありますので、眠気が少なくかつジェネリックのある第 2 世代抗 ヒスタミン 薬を選べば、薬代はさほど多くならず、かなりの効果が期待できます。花粉症の最盛期でも、この組み合わせを選ぶと、有効なことが多いです。

 

③ケミカルメディエーター遊離抑制薬、Th2サイト カイン阻害薬、抗プロスタグランジンD2・ トロンボキサンA2薬

ケミカルメディエーター遊離抑制薬、Th2サイト カイン阻害薬は、効き始めるのに時間がかかることなどもあって、重症のアレルギー性鼻炎には不向きです。抗プロスタグランジンD2・ トロンボキサンA2薬は、抗ロイコトリエン薬と同様、特に鼻閉、遅発層の症状に有効です。ただ、これらの薬は、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬や抗ロイコトリエン薬に比べると、あまり使われることがないようです。

 

④経口ステロイド薬:通年性のアレルギー性鼻炎に使うことはありませんが、最重症の花粉症では、4日程度に限って、使うことがあります。他の薬が全く効かなくなっている場合でも、有効なことが多いです。短期間の内服であれば、副作用の心配もまずありません。

 

⑤漢方:残念ながら、明らかに有効である漢方薬はないようです。しかし、どうしても他の薬が飲めない方や、過去に漢方が有効だったという患者さんには、処方することがあります。

 

II. 鼻噴霧用ス テロイド薬

軽症の通年性アレルギーや花粉症の初期療法(症状が出てからでは薬が効きにくいので、花粉が本格的に飛散する1、2週間前から治療をスタートする)では、内服薬だけでなく、鼻噴霧用ス テロイド薬単独でも有効です。中等症以上でも、内服薬と併用すると、内服薬だけでは効かなかった方にも効果が出ます。特に鼻閉まで伴う重症の花粉症では、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ス テロイド薬の三者を併用しないと、なかなか良くなりません。

 

Ⅲ. 点眼薬:抗 ヒスタミン 薬の点眼薬をまず処方します。重症の方にはステロイドの点眼を処方しますが、これは緑内障がある方には使えません。最近はコンタクトをしていても使える点眼薬もあります。

 

Ⅳ. 貼り薬:昨年発売されたばかりの新しい薬です。

 

アレサガテープ

 

成分自体は、以前からある、比較的効き目が強く同時に眠気の出やすい第 2 世代抗 ヒスタミン 薬の内服薬ダレン=レミカット(エメダスチン)と同じです。

 

ただ、貼り薬にしたことで、血中濃度が1日中ほぼ一定に保たれるため、持続的な効き目を期待できるだけでなく、内服薬のエメダスチンに比べると、眠気の副作用の頻度は少ないようです。さらに、内服薬ではどうしても食事をすると効き目が少し落ちるので、最近の薬では空腹時に内服するように指示される薬もありますが、貼り薬ですから食事の影響は全くありません。

 

貼り薬でかぶれるような方以外には、新しい選択肢が増えたと言えます。