ひとりひとりに合った薬の選択
2020.12.13
アレルギーの薬には次のような種類があります。
I. 内服薬(飲み薬)
①第 2 世代抗 ヒスタミン 薬:
病院で処方されるアレルギーの薬の大多数がこれですが、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬の中でも、眠気や効き目の強さには違いがあります。以下のようなことを考慮して、その患者さんに合った薬を選択します。
♣ 効き目の強さ
♣ 眠気などの副作用の強さ
♣ 価格(ジェネリックを選べるかどうか)
♣ 服用が1日1回か2回か、いつ服用するか
新しい薬の中には、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬と他の薬を混ぜて、二つの効果を狙ったものもあります。
②抗ロイコトリエン薬:アレルギーの症状には、原因になる抗原が入ってきてすぐに起こる即時層だけでなく、数時間後に起こる遅発層があります。抗ロイコトリエン薬は、即時層の鼻閉だけでなく遅発層にも関与するロイコトリエンをブロックする薬です。
単独でも使いますが、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬と抗ロイコトリエン薬を併用すると、さらに相乗効果があります。
③ケミカルメディエーター遊離抑制薬、Th2サイト カイン阻害薬、抗プロスタグランジンD2・ トロンボキサンA2薬
④経口ステロイド薬:他の薬が全く効かなくなっている場合でも、有効なことがありますが、副作用を避けるため、短期間の使用になります。
II. 鼻噴霧用ス テロイド薬
単独でも有効ですが、中等症以上でも、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬と併用すると、さらに効果が出ます。重症の花粉症では、第 2 世代抗 ヒスタミン 薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ス テロイド薬の三者を併用することもあります。
Ⅲ. 点眼薬:最近はコンタクトをしていても使える点眼薬もあります。
Ⅳ. 貼り薬(第 2 世代抗 ヒスタミン 薬):昨年発売されたばかりの新しい薬です。
V. 注射(分子標的薬):最も新しい治療薬で、アレルギーを起こすIgE抗体に直接アタックする薬です。他の治療で十分治らない時に適応となります。