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声が枯れる

2020.12.08

小児の声がれの原因として一番多いのは声帯結節です。左右の声帯に対称的にできる、炎症性の腫れです。声を無理に使いすぎて起きます。とくに炎症があるときに声を使いすぎるとできやすいようです。子供で多くてしかも長引くのは、大きな声を出す男の子です。大人でも保母さんや、幼稚園、小学校の先生などよく声を使う方にできることがあります。

 

確定診断は、内視鏡で直接声帯を見て確認することです。当院には、新生児の喉頭の観察も可能な、細径の内視鏡もあります。

 

言ってみれば、手にできる豆のようなものですので、声を使わないようにすれば治ることが多いです。大人では手術が必要になることがあります。

 

しかし、元気な子に声の安静(声を出すな)というのは無理ですし、治らなくても幸いどんなに遅くても声変わりの時期を過ぎれば自然に治ることが多いので、子供の場合はあまり心配せずに様子を見ましょう。ただ、声がれが長引いたり重症だったりするお子さんは、他の病気の可能性や消炎治療が必要な場合もありますので、耳鼻咽喉科を受診してください。

 

風邪などに伴って一時的に声が枯れるのは、声帯に痰が絡まっていることが多いです。この場合は、鼻汁(後鼻漏)の吸引、薬の内服などで治療します。