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2018.06.15

耳垢除去後

そうならないようにするためには、毎日の入浴後に、綿棒で耳の入り口の湿り気を拭き取るようにするのがベストです。この際、耳垢腺は外耳道の入り口付近に集中しているので、綿棒を奥まで入れないことが肝心です。外耳道の深部は入り口と違って皮膚が薄く傷つきやすいし、外耳道の入り口から鼓膜までの距離は意外に短いので子供では簡単に鼓膜に当たってしまいます。

 

乾性耳垢も同様で、外耳道の入り口につきやすく深部の薄い皮膚にはつきません。耳垢の掃除は、基本的には見える範囲でよいのです。乾性耳垢は、軟性耳垢のように毎日掃除する必要はありません。

 

耳垢がなかなか取れないときや、お子さんが掃除をいやがって動いてしまって外耳道や鼓膜を傷つける心配があるときは、耳鼻咽喉科で掃除するようにしてください。耳垢が溜まりやすい方でも、小さなお子さんなら半年に1回、大きくなってからであれば1年に1回来てくだされば十分です。

 

耳垢のタイプについては、縄文人は軟性耳垢で、渡来した弥生人は乾性耳垢だったという説があります。軟性耳垢は北海道と沖縄では比較的多いという報告もあり、これは大陸から渡来した弥生人(新モンゴロイド)が西日本を席巻したが、北海道沖縄まではその力が及ばす、縄文人(古モンゴロイド)の特質が保存されたのだというのです。耳垢が歴史ロマンに通じる面白い説なのですが、根拠は薄いようです。