患者さん中心の医療と、科学的診断と新しい技術を提供いたします。

その他(睡眠時無呼吸、漢方、外耳炎、頭頸部腫瘍)

のど・耳の病気と検査

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返す状態を、睡眠時無呼吸症候群と言います。睡眠時無呼吸症候群では、十分に睡眠がとれず、昼間の眠気、集中力の低下、倦怠感といった症状が起きます。場合によっては、居眠り運転による事故を起こしやすくなる場合もあります。また、酸素不足のため、不整脈や心不全の原因になることがあります。

 

睡眠時無呼吸症候群の多くは、閉塞性と言って、睡眠時に咽頭や舌の筋肉の緊張が緩んで、咽頭が塞がることで起こるものです。従って、いびきを伴います。ひどいいびきをかいていたと思ったら、ぴたっと呼吸が止まり、しばらくしてまたひどいいびきをかき出す、というのが典型的な例です。また、高度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満を伴います。

 

耳鼻科では、まず鼻や咽頭に、睡眠時の閉塞の原因や増悪因子になる疾患がないかを観察します。その上で当院では、簡易的な検査機械を貸し出しして、自宅で呼吸と血液の酸素濃度を記録し、そのデータを解析して診断をしています。

 

睡眠時無呼吸症候群の最終的な診断には、一泊入院して睡眠時の呼吸の状態や脳波などを調べる、終夜睡眠ポリグラフが必要です。簡易検査ではその結果から、心配のないものか、詳しい検査が必要なのか、治療が必要なほど重症なのかを診断し、必要であれば無呼吸を専門とする耳鼻咽喉科医と内科医の両方がいる専門病院(太田総合病院/太田市民センター)をご紹介します。

 

睡眠時無呼吸症候群では減量などが有効ですが、ある程度以上の睡眠時無呼吸症候群では、CPAPと言って鼻にマスクをつけてのどに空気を送り込み、咽頭が塞がらないようにする方法が治療の基本になります。ただしこの方法も、アレルギー性鼻炎や鼻中隔彎曲症などのため鼻がつまっている場合には治療効果が得られませんので、耳鼻咽喉科的治療も必要になります。

漢方

漢方薬には普通の薬では得られないような効果が期待出来るものがたくさんあります。当院では、漢方薬も積極的に取り入れて、良い結果を得ています。下は当院でよく処方する漢方薬です。

 

葛根湯
葛根湯加川芎辛夷
柴胡桂枝湯
半夏厚朴湯
五苓散
小青竜湯
当帰芍薬散
加味逍遙散
桂枝茯苓丸
麦門冬湯
半夏白朮天麻湯
苓桂朮甘湯
六君子湯
十全大補湯
荊芥連翹湯
香蘇散
加味帰脾湯

様々な外耳炎

耳は、脳の神経の続きである内耳、のどの粘膜の続きである中耳、顔の皮膚の続きである外耳に分けられます。耳はこの3カ所で全く違う仕組みと働きがあり、かかる病気も違います。ここでは顔の皮膚の続きである外耳の炎症性疾患について書きます。

外耳道湿疹

外耳道の皮膚は、奥まっている分、湿疹を起こしやすい部位です。治療は、皮膚の他の部位と同じで、ステロイドの軟膏など局所の治療と、抗ヒスタミン薬などの内服とがあります。引っ掻いて悪化させると、黄色っぽいさらさらの耳漏が出ますので、耳漏を心配して受診される方も多いです。

細菌性外耳道炎・外耳道癤

不潔な指や耳かきで触って、細菌感染を起こしてなることが多いです。湿疹が基にあって、そこに感染が加わることも多いです。使い捨てでない固い耳かきは、外耳道の皮膚に傷をつけることもあり、また菌がついていてそれを皮膚に植えてしまうことも多いので、使わない方がいいです。外耳道には、ほとんどの抗生物質が効かない緑膿菌という菌がつくことも決して珍しくないので、耳に痛みや痒みがあるときは、油断しないでください。 外耳道の皮膚の細菌感染が悪化して、膿が貯まっておできになった状態を外耳道癤と言います。こうなると、膿を出してしまわないと、抗菌薬だけでは、なかなか治らないことがあります

体に生えるカビ《真菌性外耳道炎》

真菌というのはカビのことですが、体について病気を起こすカビもあります。カンジダ、アスペルギルスが、その代表です。外耳道はもともと、真菌がつきやすい部位のひとつですが、とくに、抗菌薬やステロイドを使っているときは、つきやすいです。外耳炎の治療で抗菌薬の点耳を行うこともありますが、必要最小限にとどめるべきです。長期使うと、細菌はいなくなりますが、そこに真菌が増えることがしばしばあります。

顔面麻痺を起こす外耳炎《帯状疱疹(ハント症候群)》

外耳炎の症状で受診される患者さんの中に、外耳道の皮膚に水疱が見られる場合があります。ウィルス性の炎症のことが多いですが、とくに問題になるのは、帯状疱疹です。神経につくウィルスですので、痛みも特別強いし、内耳の神経までつくと難聴やめまいを起こしたり、耳の奥には顔面神経がありますので、顔が曲がったりすることがあります。このような内耳や顔面神経の症状を伴うものを、ハント症候群と呼びます。

骨を溶かして広がる《外耳道真珠腫》

腫という病名ですが、腫瘍ではありません。皮膚の角化物が異常に多くたまり、骨を壊しながら進行する点は、真珠腫性中耳炎と似ていますが、原因は不明です。典型的なものは、鼓膜のすぐ手前の外耳道底部の骨が陥没しており、そこにしつこく堅い耳垢のようなものがたくさん付着しています。これを放置するとだんだん進行する可能性があるので、耳鼻咽喉科で定期的に清掃する必要があります。

これができたら、本格的なサーファー《サーファーズイアー》

両側の外耳道の壁の骨が、何カ所も盛り上がって、外耳道が狭くなった状態です。長期間の冷水の刺激で起こると言われ、圧倒的にサーファーに多い病気です。かなり高度でも、無症状のことが多いですが、狭い外耳道に耳垢が貯まりやすかったり、炎症が起きやすい場合もあります。当院にも、他の病気でかかられた方に、サーファーズイアーを見つけることが、しばしばあります。東京で勤務医をしていた頃はほとんど見ませんでしたので、やはり神奈川はサーファーが多いのでしょうか。

頭頸部腫瘍

頸部の腫れは耳鼻咽喉科の守備範囲

大きな病院の耳鼻咽喉科は“耳鼻咽喉科・頭頸部外科”と標榜しています。耳鼻咽喉科は本来、耳・鼻・のどの他に、脳、眼、歯を除く頭部と頸部の外科も守備範囲としています。開業医では、手術は限られたことしかできませんが、頭頸部の病気についてしっかり診断して、必要であれば大きな病院に紹介することも、役目の一つです。

頸部リンパ節炎

頸部のリンパ節が腫れる病気は多いですが、大抵は心配のない炎症性のものです。しかし伝染性単核症など、特別な炎症で腫れることもあり、腫瘍で腫れることもありますから、鑑別が必要です。

反復性耳下腺炎

一番大きな唾液腺である耳下腺が腫れる病気でよく知られているのはおたふく風邪ですが、何回も繰り返して腫れる場合があります。反復性耳下腺炎は、決して珍しい病気ではありません。唾液の流れが滞って耳下腺内に溜まって腫れる病気で、痛みがあっても発熱はなく、唾液が流れ出せば数日で治ります。小児で発症して、思春期には治るのが普通です。

急性顎下腺炎、唾石

顎の下にある唾液腺、顎下腺の炎症の原因として多いものに、唾石があります。唾液が流れる管に石ができて。管が詰まってしまうために炎症が起きるのです。

耳下腺腫瘍

一番おお良性のものと悪性のものがありますが、いずれにせよ大きな病院で確定診断をつける必要があります。

甲状腺腫瘍

甲状腺は首の前の方の、のどぼとけ(甲状軟骨)のすぐ下にあります。嚥下すると喉頭とともに上下に動きますから、首の前の方の腫れがそのような動きをするなら、甲状腺腫瘍の可能性があります。甲状腺腫瘍にも良性のものと悪性のものがあります。