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めまいと赤外線眼振検査

のど・耳の病気と検査

めまいには、ぐるぐる回る回転性、ふらふらする浮動性、目の前が暗くなる失神性があります。一般的には、回転性のめまいは、内耳の病気が多いと言われますが、そうでない場合もあります。

 

眼振というのは、めまいの時に起きる眼球の異常な動きで、これによってめまいの診断のために必要なことが、いろいろ分かります。眼振は何かを見ていると抑制されて分からなくなります。暗闇で何も見えない状態を作ると、眼振がはっきり出ますが、暗闇では目の動きも見えません。そこで、目隠しをして暗闇の状態をつくり、赤外線カメラでそれを観察したり記録したりする装置が工夫されました。それが赤外線眼振検査装置です。

 

めまいを訴える方は結構多くいらっしゃいます。心配のないものもあれば、早急に治療を要する病気の方もいらっしゃいます。赤外線眼振検査装置によって、めまいの患者さんの診断を、より正確に行うことができます。

 

めまいの検査としては他に、姿勢制御の検査、小脳症状の検査などを行います。めまいで一番怖いのは小脳の病気ですから、それはしっかり鑑別しなければなりません。

 

他に血圧を姿勢を換えて測定します。寝た姿勢から起きた姿勢になると、重力に逆らって血液を脳に届けなければなりませんから、血圧は少し上がるぐらいでちょうどいいのですが、それが下がってしまうことがあります。血圧が下がってしまうと、脳に十分な血液が行かなくなりますから、めまいが起きたり意識がボーとなったりします。起立性調節障害と呼ばれる状態です。血圧あるいは血液の循環の調節をしている自律神経の働きが悪くて起きることが多いです。

 

内耳は自律神経で胃とつながっており、そのため内耳性のめまいの発作時には吐きけや嘔吐が起きます。また内耳は頸部の筋肉とも神経でつながっているため、肩こり、さらに頭痛が起きることも多いです。これらに対する、対症療法も必要になります。

 

次に代表的なめまいの病気をあげます。大きく分けると次の①〜④の4つあります。

良性発作性頭位めまい症

内耳性の病気で一番多いのは、良性発作性頭位めまい症(BPPV)です。良性=比較的短期間で治る、発作性=きっかけなく急に発症する、頭位=頭の位置を変えると起きる、めまいです。内耳の中の耳石という石がはずれて、三半規管の中に入って起きる病気です。


最近は頭を特定の向きに動かして、石を三半規管の外に出す方法を行う場合があります。うまくいくとすぐめまいが治まるのですが、そのためには石のある三半規管の部位を正確に特定しなければならず、それを誤って間違った方に頭を動かすと、悪化することもあります。始めの強いめまいが一段落して、少し軽くなっていれば、生活の中の動きで、1週間ないしは2週間で、自然に石が三半規管から出てくれるので、軽症であればそれを待ってもよいと考えています。

メニエール病

次に有名なのは、メニエール病でしょう。内耳の中のリンパ液が増えすぎて起こる病気です。内耳には平衡感覚と聴覚の両方の器官があるので、めまいだけでなく聴力低下も起きますが、めまいの方がつらすぎて、難聴はあまり感じられない患者さんもいらっしゃいます。発作期の治療は安静、メイロン(重曹水)の点滴、精神安定剤の投与です。


回復期には、イソバイド(内耳の水を減らす浸透圧利尿剤)、内耳の循環を改善する薬などを飲んでもらいます。ある程度回復したら、少しずつ通常の生活をしていただきます。中枢代償といって、少しぐらいの内耳機能障害があっても、身体を動かしていると脳が適応してくれてめまいは軽くなるからです。それでも、急激な動きは、ひかえていただきます。タバコ、塩分、アルコールのとりすぎも良くないですが、けっこう気がつかずにとりすぎてしまうのがカフェインです。カフェインには、とくに注意をして飲まないようにしていただいています。


メニエール病は治っても、また繰り返すことの多い病気です。そういう素因のある方が、寝不足や疲労をきっかけに起こします。

前庭神経炎

内耳の炎症です。典型的な内耳性めまいを示しますが、あまり多くはありません。ウイルス感染が原因と考えられます。

内耳は自律神経で胃とつながっており、そのため内耳性のめまいの発作時には吐きけや嘔吐が起きます。また内耳は頸部の筋肉とも神経でつながっているため、肩こり、さらに頭痛が起きることも多いです。これらに対する、対症療法も必要になります。

めまいは内耳の病気だけでなく、他の原因でも起きます。その鑑別も大切です。